太平洋戦争敗戦後我が国の国民は極度の窮乏生活を甘受して来ました。
しかし挙国、節倹勤労の甲斐あって世界の経済大国とか経済的獣
との外国からの悪名もさることながら国運の進展興隆を遂げ、
国民思想は衣食足って礼節を知る。の古諺に逆行して倫理、道徳、
礼節等、情操麻痺して拝金と浮華虚飾に耽り、物資の無駄使いと
環境破壊を深刻化させました。
感恩感謝の念乏しく正邪の感覚混沌として利己自由主義への傾倒は
学校教育現場の荒廃を招くことになり、ことに少女の乱行ぶりは
国家の将来憂慮に堪えないものです。
受験一辺倒の教育に狂奔の反省と国民教育に行政、教育、社会
家庭等一丸に連撃緊密に行われなければなりません。
20世紀も終わりを迎えていますがこの世紀中の我が国歩
と国際場裡への進出、科学技術の開発、社会文化面等萬態
筆紙に尽しがたい進歩と文明開化を遂げました。
しかし一面にはまた社会悪の歴史の反省を要することも
少なからず改革しなければなりません。
迎える21世紀の幕開けをあたかもユートピアの出現するかの
錯覚に酔ってはならないでしょう。永年1億平和惚けの弛緩した
意識に新しいメスを入れて急進する国際及び社会構造の変遷に
対する先見性を養い対応に遅れをとらぬ様に次代を担う子供の
教育の完璧を期さなければなりません。
「麻の中に育つ蓬(よもぎ)は扶すけずして直し」
「子供は親の背を見て育つ」
「朱に交われば赤くなる」
などなど単純にして深い含蓄があります。
三つ子の魂百までといわれ 幼児教育は
父母と家族の正常な宗教生活をもとに
自然の生活の中でなされることが
重要です。
人間の心を表裏無く照らし清道に導くは正浄なる宗教
及び宗教心です。
いかに無宗教者でも宗教的信念の無い人間は存在しないと
思われます。日本の家庭には皆お仏壇が有りお仏壇には
ご本尊様のみ仏様ご先祖さまの霊位をお祀りして家族
一同止悪作善(悪を止め善を成す)を祈ります。善業功徳に
よって寿福康寧祖霊の成三仏果をお祈りし日々生業に精進
させていただく心の道場であります。
仏様の教えは大慈悲をもって自利利他の業を以って自他共に
正善成就にあり、信仰は反誦修念せらるべきです。
宗教的教化は教育の基礎であり智育偏重は悪魔養成
に等しと西哲は論及しています。
ことに仏教は人間形成教育理念の根本であり
仏教理念の支流に社会倫理道徳が唱えられており
ます。
故に聖徳太子は憲法に「深く三寶を敬え三宝とは
仏法僧なり。四生の終帰万国の極宗なり」と喝破
せられています。

この世の万法は、生滅、盛衰、生死無常迅速、電転極まり無し、
真に頼み甲斐なければ如何ほど物欲、名誉権勢を逞しくすとも
菩提心なき、疑似名誉権勢などの邪行は只後生餓鬼道への因業なるのみなるべし。
されば有形無常の事物のみに心魂を労せず、はかない妄塵、見得をうち捨て、内省
菩提の正道(後述の八正道)を受持して人生永遠の浄安楽に正念決定(しょうねんけつじょう)
するこそ最も肝心なるべし。
この期に望み、先聖遺戒の十善業道の要旨を抜粋して有縁の浄信の一助に贈る。
願わくば敬愛せる善男善女人衆、斉しくこの戒法を服よう護持せられ、御先祖の
仏果を増し、家門繁栄、現当二世善願成就ならんことを祈念に堪えず。
南無大師遍照金剛

平成11年5月 真如精舎 勤息        合掌

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